「香り」のことを学んでいた時、日本はいつ頃から「香り」を嗜むようになったんだろう?と、ふと気になりました。
日本の香りといえば「お香」。お香がいつ頃日本に伝わったのか調べてみました。
日本の文献で「香」のことが記載されているもので、一番古い文献は「日本書記」と言われています。
そこには、
と記載があります。
つまり、595年に聖徳太子の時代に淡路島に大木が漂着し、それを薪として火をつけたところ、なんとも言えない神秘的な香りがしたため、朝廷に献上したのが始まりで、その大木が白檀(サンダルウッド)だったといわれています。
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しかし、この日本書紀には「初めて」という言葉なく、聖徳太子死後に記された「聖徳太子伝暦」には、この淡路島香木漂着の続きが記されていて、
とあります。
つまり、聖徳太子は淡路島の香木が漂着した時、すでに白檀のことを知っていて、しかもインドの南岸に生ずる木だということも知っていたんです。
聖徳太子は、淡路島の漂着する前から白檀のことを知っていた。
聖徳太子は、なぜ白檀のことを知っていたのか?
それは、日本の「香」の伝来のもう一つの説。
仏教とともに日本に伝来したということです。
香りは、古代から神への儀式や祈りと深い関わりを持っています。
木を燃やすことで、その樹脂がときにすばらしい芳香をもたらすことを知りました。そして、同時に火は危険で恐ろしいものであり、神に通ずるものでもありました。煙は火から生まれ、そして天に還っていきます。煙は人々の祈りを天に運ぶ使者でもありました。人々は、香煙を神に捧げ、煙を通して神に祈りました。こうしたことから、仏教と香りも古代からセットだったと思います。インドで生まれた仏教が中国へ渡り、日本へと伝来した。その時に「香」も日本へと伝わってきたのではないか。私もこの説が一番有力ではないかと思います。